軽自動車の年間維持費はどのくらい?普通乗用車との違いや費用の種類を紹介
軽自動車は、自動車の中でも最も維持費の安いカテゴリーで、気軽に車を所有することができるため、人気を集めています。燃料価格の高騰や物価高も後押ししていると言えるでしょう。
本記事では、軽自動車と普通自動車との維持費の違い、費用の内訳やおすすめの軽自動車まで詳しく紹介します。軽自動車の購入を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
※目次※
・軽自動車は普通車に比べて税制面などが有利
・人気のモデルは流通量も多く選択肢が広い
・維持費を抑えるには乗り方から任意保険の選択まで方法はさまざま
軽自動車の年間維持費はどのくらい?
軽自動車は車両本体価格が普通車と比較して安価なモデルが多く、税金面でも有利になり、イニシャルコストが抑えられます。
また、自動車税や保険料といったランニングコストの面でも普通車と比べ、リーズナブルになっているので、所有しやすいのです。ここでは、軽自動車を所有した場合に、年間にかかる維持費を細かく紹介します。
月約1万円、年間約12万円が目安
損害保険会社が2022年に行った調査によれば、軽自動車の維持費は月に1万200円だったという結果が出ています。これは最も高額とされるセダンタイプの自動車と比較すると6,800円も安い金額です。いかに軽自動車にかかるコストがリーズナブルなのかがわかる結果となっています。
この維持費に含まれるものは保険料、燃料代、駐車場代、修理代とされており、税金やローンの返済、有料道路通行料は含まれていません。
ボディタイプの中で最も安い
軽自動車は自動車のあらゆるボディ形状の中で最もリーズナブルなモデルと言えます。それは前述の調査でも明らかになっており、調査数が少なく参考値となったオープン・クーペが2万円であることを除けば、セダンが1万7,000円と最も高額という結果になっています。
セダンの次はSUV・クロカンの1万6,300円、ミニバンの1万4,100円と続き、最も軽自動車に近い維持費のコンパクトカーでも1万1,500円と1,300円の差があります。
軽自動車と普通乗用車の維持費の違いを見てみよう
車を維持するための費用が必要であることは、普通車も軽自動車も変わりありません。ただし、その費用の内訳は、税金や保険料などいずれの項目も、軽自動車の方が圧倒的に安上りです。
ここでは、車を維持するために必要な費用の内訳を、普通車と軽自動車と比較して紹介します。改めて軽自動車のお得な点などを確認しておきましょう。
自動車税種別割
自動車税種別割は車を所有し続ける限り、毎年継続的に課されるものです。そのため、負担を感じやすい費用のひとつと言えるでしょう。税額は総排気量によって決定するため、大型セダンを所有していると負担が大きくなります。
自動車税種別割も恒久減税で税金が軽減されます。この自動車税種別割とは、車の排気量や最大積載量、仕様の用途などにより定められており、使用目的が限られる特殊車両などは割安となっています。
普通自動車に比べ、軽自動車の税率は低く設定されています。下記の表を参考に比較してみてください。
四輪以上(排気量660cc以下)の乗用の軽自動車の税率 (年税額)
排気量 |
標準税率 |
軽減税率(概ね75%軽減) |
軽減税率(概ね50%軽減) |
660cc以下 |
1万800円 |
2,700円 |
5,400円 |
自動車税種別割(自家用普通車)
排気量 |
標準税率 |
軽減税率(概ね75%軽減) |
軽減税率(概ね50%軽減) |
1L以下 |
2万5,000円 |
6,500円 |
1万2,500円 |
1L超〜1.5L以下 |
3万500円 |
8,000円 |
1万5,500円 |
1.5L超〜2L以下 |
3万6,000円 |
9,000円 |
1万8,000円 |
2L超〜2.5L以下 |
4万3,500円 |
1万1,000円 |
2万2,000円 |
2.5L超〜3L以下 |
5万円 |
1万2,500円 |
2万5,000円 |
3L超〜3.5L以下 |
5万7,000円 |
1万4,500円 |
2万8,500円 |
3.5L超〜4L以下 |
6万5,500円 |
1万6,500円 |
3万3,000円 |
4L超〜4.5L以下 |
7万5,500円 |
1万9,000円 |
3万8,000円 |
4.5L超〜6L以下 |
8万7,000円 |
2万2,000円 |
4万3,500円 |
6L超 |
11万円 |
2万7,500円 |
5万5,000円 |
自動車重量税
自動車重量税は新規登録時もしくは車検時に、車検証の有効期限分をまとめて支払うことになります。普通自動車は車両の重量に応じて税額が決まりますが、軽自動車の場合は車両の重量に関係なく定額です。車両重量と自動車重量税の関係は以下の表で確認しましょう。
エコカー減税適用なし登録から13年未満の場合
車検期間/車両重量 |
2年 |
軽自動車 |
6,600円 |
~500kg以下 |
8,200円 |
~1,000kg以下 |
1万6,400円 |
~1,500kg以下 |
2万4,600円 |
~2,000kg以下 |
3万2,800円 |
~2,500kg以下 |
4万1,000円 |
~3,000kg以下 |
4万9,200円 |
メンテナンス、車検費用
車検は、新車購入から3年後、それ以降は2年ごとに受けることが法律で定められています。車検費用は、安全基準に合格するための整備と検査の車検代だけではありません。自動車重量税や自賠責保険料なども含まれています。
車検費用の相場は、軽自動車なら7万円前後、普通自動車は10万円前後です。しかし、車検も行なっている中古車販売店やディーラー、ガソリンスタンドなど、車検を依頼する業者によっても費用は大きく違ってくるため、あくまでも目安として参考にしてみてください。
燃料代、ガソリン費用
燃料代やガソリン代は、普通車・軽自動車によって違いが出るというよりも燃費で変わります。車を走行させるためには、燃料であるガソリン代は欠かせません。ガソリン代の相場は産油国の状況や円高・円安などで上下します。
特に最近では世界情勢などの影響により軒並み燃料価格が高騰しているのが現状です。経済産業省による調べでは、2023年8月14日時点で全国平均価格は182円となっています。
ただし、必要な燃料は車種によっても異なり、レギュラーガソリン以外にも、ハイオクや軽油(ディーゼル)があります。そのなかでも、ディーゼル車は燃料代が安いことでも知られています。
また、ガソリン代は車の総排気量や走行距離などが大きく影響してくることから、月額でどれくらいのガソリン代がかかるのか、ということについては個人差があります。すでに車を所有している人は、現在のガソリン代からある程度の費用を算出してみましょう。
保険料
車に関する保険は、法律で加入が義務付けられている「自賠責保険」と、任意で加入する「自動車保険」の2つに分けられます。自賠責保険料は保険会社による差はありません。
|
12ヶ月 |
13ヶ月 |
24ヶ月 |
25ヶ月 |
自家用乗用自動車 |
1万1,500円 |
1万2,010円 |
1万7,650円 |
1万8,160円 |
軽自動車 |
1万1,440円 |
1万1,950円 |
1万7,540円 |
1万8,040円 |
(2023年8月現在)
自動車保険は「年齢」「等級」「使用目的」「使用状況」「種別」など、さまざまな観点から年額が決定されます。自動車保険に加入しないという選択肢もありますが、万が一の事故に備えて自賠責保険とは別に加入したほうが良いでしょう。
駐車料金
車を購入したら、駐車しておくスペースを確保しなければいけません。一軒家など敷地内に駐車場があれば費用は0円で済みますが、駐車場がなかったりマンションやアパートに住んでいたりする場合は、月極の駐車場を借りる必要が出てきます。
駐車場代は、車を走らせていなくても所有しているだけで毎月かかる、車のための家賃です。相場としては、地方だと1ヶ月あたり5,000円前後、都市部だと数万円することもあります。
軽自動車の維持費を安くするポイント
普通車に比べ維持費の安い軽自動車ですが、その中でもさらにランニングコストを抑える方法があります。
燃費面や税制面で有利な車種の選択から、日々の乗り方、保険や車検といった項目まで、さまざまな方法で費用を抑えることができます。ここでは軽自動車の維持費を安く抑える方法などについて、細かく紹介していきます。
燃費の良い車を選ぶ
車の購入を検討している人の中には、車種で迷っているという人もいるのではないでしょうか。どの車種にするのかは、何を目的として使用したいのかで選ぶことが大切です。
すでに数車種に絞っている人もいるかもしれませんが、そのなかでも燃費の優れた車を選んでみてください。排気量別の維持費用でも紹介した通り、低燃費であればあるほど、毎月の維持費用を抑えることができます。
急発進、急停止を避ける
運転中にガソリンを最も使うのが、発進時といわれています。アクセルを踏み込んだ時、エンジンに大きな負荷がかかるためです。アクセルを強く踏み込むと、より多くの燃料を必要とするため、優しくペダルの操作を行うよう心掛けましょう。
また、発進時だけでなく停止時にも注意が必要です。急ブレーキは、タイヤへの負荷が大きくなるためタイヤ交換時期を早めてしまうことにつながります。
任意保険の費用を抑える
任意保険は強制力のある自賠責保険と異なり、加入は自分の意志で決定できます。補償内容は車の補償や事故相手への補償、自身や搭乗者への補償などが代表的ですが、不必要な補償は省くことも可能です。
販売業者によっては購入時にサポートを設けており、それを活用することで任意保険の必要な範囲や時期を調整することもできます。
例えば、「1年間修理費無料」というサービスがあった場合、1年間は販売店でサポートを受けたのち任意保険に加入するということも可能です。
車検費用を抑える
定期的に受ける必要のある車検は、高額なイメージがあります。実際に高い料金を支払っている方もいるでしょう。「車検の節約は難しい」と考えている方もいるかと思いますが、実は依頼する場所によって費用が大きく異なるのです。
もちろん法定費用と呼ばれる自動車重量税や自賠責保険料などは一定ですが、作業料金は車検業者が自由に設定できます。
車検は料金が高額なほど安全だというわけでもありません。安くてパフォーマンスの良い店舗を利用することでコストを節約できます。
減税制度を利用する
燃費や排ガスの基準をクリアした車を購入する際には、「エコカー減税」「グリーン化特例」「環境性能割」などの税金優遇を受けられます。よく耳にするエコカー減税とは、燃費性能・排出ガス性能に優れた車を新車新規登録する際に、性能に応じて重量税が減税される制度です。
エコカーは価格が高いものが多いですが、後々支払う税金の負担が少なくなるのがメリットでもあります。また、燃費が良いことで燃料代も抑えられるでしょう。車両の本体価格はもちろん、税金や燃費まで計算して車を選ぶことをおすすめします。
PRハスラーの中古車
※価格は支払総額
維持費の安い軽自動車を探してみよう
軽自動車であれば維持費が安く抑えられることができますが、その車種は数多く選択は非常に悩ましい点と言えます。ボディタイプもオーソドックスな2BOXタイプから人気のハイトワゴン、SUVまでさまざまです。
ここでは、人気の軽自動車の中でもおすすめのモデルを紹介します。車種ごとの特徴などをまとめましたので参考にしてみてください。
ホンダ N-BOX
ホンダ N-BOXは2011年に登場したトールワゴンスタイルの軽自動車です。初代モデルは2017年まで生産され、48年ぶりのDOHCエンジン搭載のホンダ製軽自動車として注目を集めました。トランスミッションは全車CVTでリヤドアには利便性の高いスライドドアとなっています。
2017年にフルモデルチェンジが実施され、2代目では自然吸気エンジンにi-VTECを搭載した新設計のパワーユニットを搭載するなど環境性能も大きく向上しています。
(参考: 『ホンダ N-BOXの中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
スズキ ワゴンR
軽トールワゴンのパイオニアとして1993年に登場したワゴンRは、6世代にもわたるロングセラーモデルです。標準モデルの他、スポーティな装いのスティングレーも設定されており、若い人を中心に人気を集めています。現行型にはハイブリッド車も設定されており、維持費を抑えるための燃費面で有利なグレードが設定されている点にも注目です。
また、他のハイトワゴン系軽自動車にはないマニュアル車が設定されており、選択肢が広いのもポイントです。
(参考: 『スズキ ワゴンRの中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
ダイハツ タント
軽自動車の中では異例のロングホイールベースと1,700mmを超える圧倒的に高い全高により、広大な室内スペースで人気を誇るモデルがダイハツタントです。同社のムーブが軽ハイトワゴンとして人気を集めていましたが、タントは登場と共にワンボックスモデルにも引けを取らない広さで注目されました。
4代目となる2019年に登場した現行型は、両側スライドドアやスマートアシストと呼ばれる運転支援システムなど、利便性、安全性共にトップクラスとなっています。
(参考: 『ダイハツ タントの中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
ネクステージで維持費の安い軽自動車を探してみよう
ネクステージは北海道から沖縄まで全国に展開する中古車販売店です。買取・販売実績も豊富な車の専門店として全国に200店舗以上を構えています。
そんなネクステージは保証サービスが充実しており車検も低価格です。フルに活用すれば車の維持費を大幅に節約することができます。
ここでは、ネクステージが行う購入後の補償や車検の魅力について紹介します。
購入後の保証サービスがある
ネクステージは普通車・軽自動車・輸入車のすべてに年式や走行距離問わず無償保証を実施しています。(正規ディーラーの輸入車は各ディーラーの保証基準に基づく)
エアコンやパワートレイン、駆動系など幅広い部位を無償で修理できるので、突然の出費に困ることもありません。
有償保証も充実しており、初年度登録から13年以上経過した低年式車にも安全に乗れるよう1年間の保障も用意しています。補償範囲は33機構318項目と幅広く、年に2回の点検やオイル交換も可能です。これらの充実した保証により長く安心して愛車と付き合っていくことができるでしょう。
条件に合った車を探してみよう
ネクステージではさまざまな車種や年式の車を取り扱っているのが強みといえます。熟練のバイヤーがこだわりを持って仕入れた車の在庫は、全国の店舗で3万台と圧倒的な品揃えを誇っています。人気モデルやグレード、色なども揃っているので、お気に入りの1台に出会えるでしょう。
また特徴として、故障のリスクが高い修復歴車や水没車などを一切販売しないのも信頼できる販売店の証です。たくさんの車の中からご自身の条件に合った車を探せる点が魅力と言えるでしょう。
よくある質問
Q.車の維持費にはどのようなものがある?
A.軽自動車の維持費には、毎月かかるガソリン代や駐車場代、通常は年払いとなる自動車税や任意保険料、車検時に支払う自動車重量税や自賠責保険料、メンテナンス費用などがあります。月額に換算すると、1万円程度になるでしょう。
Q.車の維持費を抑えるにはどうすればよい?
A.自分でもコントロールしやすい維持費はガソリン代です。低燃費の車を選んで、急発進・急停止を避けてスムーズに運転しましょう。エコカー減税対象車なら税金も安くなります。意外と負担の大きい任意保険を見直してみるのもおすすめです。
Q.軽自動車とコンパクトカーでは維持費はどのくらい違う?
A.軽自動車は維持費が安いのがメリットと言えます。排気量1,000cc以下のコンパクトカーと比較すると自動車税および重量税の差は、おおよそ2万円程度です。軽自動車は、任意保険料やメンテナンス費用もコンパクトカーに比べると安いため、毎月の維持費は5,000円程度の差が出ることもあります。
Q.輸入車はメンテナンス費用が高くなる?
A.輸入車は故障しやすいというイメージがありますが、最近ではそのリスクは下がってきたといわれています。ただし、修理や部品交換が増えてくると、国産車よりも費用負担は大きくなります。特に中古車の場合は、販売店の保証サポートを重視しましょう。
まとめ
自動車は地域によっては生活必需品といえます。そんな必需品の車ですが、昨今は燃料価格の高騰をはじめとした物価高により、維持費がかさみがちです。普通車に比べて維持費の安い中古車は魅力的な部分も多く、積極的に選びたい車です。
さらにリーズナブルな中古車を選択すれば、イニシャルコストも安く抑えることもできます。全国200店舗以上を展開するネクステージなら、きっと魅力的なあなただけの1台を見つけることができるでしょう。
▼ライタープロフィール
元 貴幸(自動車ライター)
初代レガシィの10万キロ世界速度記録をドキュメンタリー番組で目にして、その走行性能と耐久性に感動したことがきっかけで、レガシィに憧れ、そのまま自他ともに認めるスバルマニアに。BG型、BH型、BP型、BR型と4世代のレガシィツーリングワゴンのターボモデルを乗り継ぎ、現在の愛車は初代レヴォーグ2.0GT-S アイサイト。2017年から2018年にかけては、スバル公式のモータースポーツ応援プロジェクトリーダーを担当。オーナー目線でのスバル車のフィーリングや装備や改良ポイント、さらにはカスタマイズ、チューニングまでスバル関連のことについては新旧問わず造詣が深い。トラックやバスなどの大型車や特殊車両なども得意とするジャンルやメーカーに特化した自動車ライター。